システムおよびコンポーネントの信頼性を評価する上で,その寿命分布のパラメータを推定することは,重要な問題である.フィールドデータでは,観測が打ち切られたり,故障原因となったコンポーネントを特定することが困難な不完全データであることが多い.本論では,2-コンポーネント直列システムに対し,環境ストレスが働く競合リスクモデルを想定し,故障原因が不明となる確率が故障原因ごとに異なる場合を考え,不完全データを用いて,個々のコンポーネントの寿命分布のパラメータを二段階調査法によって推定する.シミュレーション実験により推定量の相対誤差の挙動を調べ,例えば,コンポーネントの寿命分布のパラメータの推定精度は,故障原因が判明する平均システム数の平方根に反比例することなどが,確認された.
抄録全体を表示