【目的】六甲山にはシラカンバと類似するハンノキ属オオバヤシャブシAlnus sieboldianaが植林され,
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にはオオバヤシャブシ花粉症に伴う口腔アレルギー症候群(OAS)が多い.六甲山より離れた東播磨地域の花粉症に伴うOASについて調査し
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と比較する.【方法】アレルギー外来受診者に花粉症・OASの有無を聴取,花粉特異IgEの測定,果物によるプリックテストを施行した.【結果】
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では9例のOASを経験したが,全例ハンノキ属特異IgE陽性.対象患者377例のうち,オオバヤシャブシ特異IgE陽性者中のOAS有病率は11.0%と陰性者中の0%に比し高く,オオバヤシャブシ花粉症はOAS発症に関連があると考えた.東播磨では19例のOASを経験したがハンノキ属特異IgEは6例で陰性.対象患者2000例のうちハンノキ属特異IgE陽性者中のOAS有病率は6.8%と
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に比し低く,一方ヨモギ特異IgE陽性者中OAS有病率が11.8%と高く,ヨモギ花粉症とOAS発症には関連性がある可能性がある.【考察】OASの原因花粉症は
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ではオオバヤシャブシが主であるが,東播磨ではヨモギ・ハンノキなど多彩と考えた.
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