1995 年 2 巻 3 号 p. 412-415
32歳の男性の左Th3領域の帯状疱疹痛に対して, 胸部持続硬膜外ブロック療法施行中に硬膜外膿瘍が発症した. 発熱, 前胸部痛, 背部痛, 注入時痛, 感覚低下, 血沈の亢進, 白血球数の増加, CRPの陽性を認め, 翌日には膀胱直腸障害がみられた. 緊急MRIを施行したところ, 硬膜外膿瘍が確認された. カテーテル先端からペニシリン耐性黄色ブドウ球菌が検出された. 抗生剤で保存的に治療し, 症状は消失した. MRIで膿瘍の消失を確認した. MRIは硬膜外膿瘍の診断, 治療効果の判定に有用であった.