AUDIOLOGY JAPAN
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学童難聴の推移について
仙台市における20年間の検診結果から
沖津 卓二吉田 真次三好 京子堀 富美子佐藤 直子中山 和彦
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1992 年 35 巻 3 号 p. 246-252

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抄録

小学校学童の難聴の実態の推移について, 仙台市における20年間 (昭和43-昭和62年度) の検診結果にもとづいて検討した。
1) 難聴者の発見率は昭和47年度の1.94%をピークに急激に減少し, 昭和60年度には0.6%台に減少し, その後0.7%台で推移していた。
2) 難聴者は伝音難聴, 感音難聴ともに男子に多く, 全体としての男女比はおおよそ6:4であった。
3) 感音難聴の減少がかなり緩やかであるのに対して, 伝音難聴は昭和47年度の1.26%から急激に減少していた。 両難聴の発見率の差は縮小し両者は59年度以降は0.3-0.4%台で推移していた。
4) 滲出性中耳炎による難聴者は昭和47年度までは0.85%と急激に増加し, その後は59年度の0.2%前後まで漸減していた。
5) 慢性中耳炎による難聴は昭和40年代の0.1%台から徐々に減少を始め, 60年代には0.02%台に大幅に減少していた。

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