主催: 日本地球化学会年会要旨集
走査型透過X線顕微鏡(Scanning Transmission X-ray Microscopy: STXM)は、主に軟X線領域(おおよそ4 keV以下)において、フレネルゾーンプレートで集光した30 nm程度のサイズのX線を用い、透過配置で試料を走査あるいはエネルギーをスキャンして、元素あるいは化学種の分布や吸収スペクトルを測定する手法で、環境科学、微生物学、地球惑星科学、高分子化学、磁性材料などへの広い応用範囲を有する。我々のグループでは、独自の設計により市販品よりも大幅に小型で運搬が可能な装置(compact-STXM)を開発し、主に高エネルギー加速器研究機構Photon Factory (PF)のBL-13Aでの運用を開始し、その性能テストを行うと共に、様々な応用研究、特に環境化学・サステナブル科学に関する研究への応用を進めている。講演では、この装置の概要と利用研究について紹介する。