地下水面は地下水資源の評価、地下水環境の保全にとって重要な情報である。近年では地下水面の把握には、地下水盆規模のような広範囲の評価が求められるが、技術的、経済的な制約から、適切な評価を行うことは容易でない。地下水面は自然要因によって変化することが知られ、本研究では広域の地下水面を推定するため、地形と地質条件とに基づく地下水面の回帰予測を行った。地下水位データは、公開されている地盤調査ボーリングのデータベースから抽出した。地下水位は、気候条件によって変化するが、本研究により地形や地質条件によっても差異を示すことが確認された。回帰分析は、地下水位を目的変数、地形・地質のグループをダミー変数、地形量を説明変数とした。構築した回帰式は、決定係数と分散分析から有意であった。そのため、回帰式とメッシュマップとを組み合わせることで、地形・地質に起因する日本全国の地下水面を統計的に推定できる手法を確立することができた。