地下水学会誌
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海岸帯水層における淡塩境界面の変動と電気探査による境界面の推定に関する研究
唐 心強大年 邦雄藤原 拓石井 将幸岡 太郎
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2000 年 42 巻 3 号 p. 223-233

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抄録

本研究では.多層地盤からなる不圧海岸帯水層において.ウェンナー法を用いた電気探査と観測井戸における電気伝導率の鉛直分布測定を行い.淡塩境界面深さの短期的変動について考察するとともに.電気探査の淡塩境界面深さ推定への適用性を検討した.また.電気探査に基づく地層区分と地質・塩水侵入による区分との対応性について検討した.その結果.観測地点では淡塩境界面の深さは潮汐に起因する地下水面の変動とほぼ同位相で変動しており.その変動範囲は1m程度であった.また.電気探査によると対象地盤は三層にわけることができ.第一層下端は表土層下端に.第二層下端は淡水と塩水の混合領域上端におおむね対応していることなどが実証され.多層地盤においても電気探査による淡塩境界面深さの推定が可能であることが明らかになった.

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