2012 年 7 巻 4 号 p. 503-516
表層型ガスハイドレートが存在しているオホーツク海サハリン島沖およびロシア・バイカル湖において,海底・湖底表層地盤から堆積土を採取した。採取した堆積土に対して,調査船上で小型のベーンせん断試験とコーン貫入試験を行い堆積土の力学特性を調べた。また,試料引き上げ時の間隙水圧減少により,溶存ガスが気泡化し試料に乱れが生じることから,ガス濃度と強度との関係についても調べた。さらに,試料採取から室内試験に至るまでの応力条件を再現した実験を行った。その結果,間隙水中の溶存ガスの濃度が高いほど,船上試験においても再現実験においても強度低下が大きくなる傾向にあった。また,溶存ガスの気泡化により乱れた試料からも,乱れの影響のない強度をある程度推定可能であることも示された。