2012 年 22 巻 3 号 p. 311-316
声門下狭窄を伴った先天性喉頭横隔膜症に対し,良好な治療経過を経た1例を報告する。症例は39週,2,320gで出生,直後から喘鳴を認めた。ファイバースコピーにて喉頭横隔膜症と診断され,呼吸状態が安定しないため気管切開術を施行した。1歳10か月で直達喉頭鏡を施行し,喉頭横隔膜症に声門下狭窄を合併していることが分かった。2歳5か月で喉頭截開を用いて根治術を施行,3か月間ステントを留置し,ステント抜去後は再び気管カニューレを装用して経過観察とした。喉頭の再狭窄は生じず,3歳9か月で会話が可能となり,5歳で気管孔閉鎖術を行った。現在6歳で,軽度の嗄声はあるが日常生活に支障を認めていない。