本研究は、居住者の都市施設とまちへの愛着について、街頭調査を通して実証的に調べた。結果から、まちへの愛着の程度によって、回答者を3つのグループに分類できることがわかった。1つのグループはまちへの愛着が相対的に低く、他の2グループは相対的に高かったが、後者2グループに関しては、帰属意識と持続願望の程度に違いが見られた。この3つの回答者グループを詳細に分析した結果、まちへの愛着は、都市施設への愛着および回答差の個人属性との間に有意な相関があることが明らかになった。これらの結果は、住民のまちへの愛着を、都市計画の取り組みを通して高め得ることを示しており、今後の施設整備の方針等において活用可能な示唆を与えると考えられる。