都市計画論文集
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都市における用途混在および形態規制に対する居住者の意識と評価
嫌悪要因解消の効果と性能規定の可能性についての考察
石川 徹浅見 泰司
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 48 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

本研究は、各種規制手法に対する意識・評価について、全国の居住者2,993人を対象としたアンケート調査を行い、「性能規定」という計画手法の適用可能性を考察した。用途の評価については、平均的にあった方がいいと評価される用途(公園、商店街、バス停)と、平均的にはあった方がいいと評価されるが居住者間で評価がばらつく用途(鉄道駅)に分かれた。ない方がいいと評価される用途については、その評価は居住者間で一致しており、その理由にも一定の傾向が見られた。嫌な理由が解消されたとした場合には、鉄道駅については評価の向上が見られたが、ごみ処理施設、駐車場、倉庫、遊戯施設、墓地は評価向上が見られなかった。用途・形態規制に対する意識については、居住・住宅属性、居住地選択の条件、個人の価値観、物的環境が影響を与えることを示した。これらの結果に基づき、今後の縮小社会における誘導的・柔軟な計画の策定に当たっての課題を議論した。

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© 2013 公益社団法人 日本都市計画学会
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