2014 年 70 巻 4 号 p. I_384-I_392
本研究では,神奈川県鎌倉市を対象地域として,自動車運転中に津波の発生から運転車両が冠水するまでを体験することができるドライビングシミュレータを開発した.津波数値解析の波源モデルとしては,神奈川県が津波浸水予測図の作成に使用しているものを仮定した.解析結果をVR空間へ入力し座標設定を行うことで,津波遡上シナリオが生成される.これをドライビングシミュレータのシナリオとして搭載し,10人の被験者による本格実験に向けた予備実験を行った.構築したシナリオは本格実験へ適用できるものと考えられるが,避難中の歩行者や周辺の道路交通流の反映などの課題も明らかとなった.