土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
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複合構造論文集第7巻(招待論文)
  • 青木 圭一
    2020 年 76 巻 5 号 p. II_1-II_16
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/31
    ジャーナル 認証あり

     鋼とコンクリートを組合せた複合構造は,経済性,耐震性や維持管理性などに優れた構造として,高速道路などで採用されてきている.これら複合構造は,波形鋼板ウェブ橋や複合トラス橋などの合成構造と,鋼桁とRC橋脚あるいは鋼桁とコンクリート桁を接合した混合構造に大別できる.本稿では,波形鋼板ウェブ構造については,その座屈特性や接合方法,接合部の耐久性,動的特性について述べ,複合トラス構造については,格点構造の特徴と施工上の課題について述べるものである.混合構造については,鋼桁とRC橋脚を剛結した複合ラーメン構造の接合方法とその特徴を,鋼桁とコンクリート桁を接合した混合構造については,その接合方法と施工方法の課題と特徴について述べる.最後に,複合構造の今後の課題と展望について述べるものである.

複合構造論文集第7巻(論文)
  • NGUYEN Minh Hai , 中島 章典, 藤原 了, 小幡 竜馬, 藤倉 修一, 平野 優麻
    2020 年 76 巻 5 号 p. II_17-II_28
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/31
    ジャーナル 認証あり

     鋼桁橋などの床版の取替え工車におけるプレキャストPC床版の接合方法の1つとして,接合部に孔あき鋼板ジベルを配置し,そこに鋼繊維補強モルタルを後打ちして床版同士を接合する方法が提案されている.本研究では,この方法に着目して,モルタル打設時の接合部下面の型枠を兼ねるプレキャスト床版のアゴの有無,およびモルタル中の鋼繊維混入率をパラメータとした接合構造の曲げ試験を実施した.その結果,これらの要因が接合構造の曲げ挙動に大きく影響することがわかった.また,孔あき鋼板ジベルの引抜き試験も実施し,引抜き試験体のせん断耐力と曲げ試験の結果から推定される孔あき鋼板ジベルのせん断耐力は概ね一致した.この結果に基づき,引抜き試験で得られる孔あき鋼板ジベルのせん断酎力から,接合構造の曲げ耐力の推定方法も示した.

  • 中岸 大洋, 大柳 龍斗, 古内 仁
    2020 年 76 巻 5 号 p. II_29-II_37
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/31
    ジャーナル 認証あり

     孔あき鋼板ジベルは,リブ鋼板等に設けられた孔にコンクリートが充填されることにより,複合構造部材の一体化を図るものである.本研究は,貫通鉄筋のない孔あき鋼板ジベルについて,せん断抵抗メカニズムを把握するため実験的検討を行った.特にジベル孔部に作用する拘束力がせん断強度に与える影響に着目した.実験では,孔部周辺の鋼板とコンクリートの摩擦力を排除することができ,孔部のみに拘束力を加えられる要素試験体を用いた.実験結果から,せん断強度は拘束力が大きくなるとともに増加するが,ある値で頭打ちとなることが判明した.この結果に基づき,摩擦の影響を排除した貫通鉄筋のない孔あき鋼板のせん断強度式を導出した.さらにせん断方向のずれ変位に関しては,複合構造標準示方書のモデル式の係数に拘束力の影響を取り入れた.

  • 水谷 壮志, 石川 敏之, 宮下 剛, 秀熊 佑哉
    2020 年 76 巻 5 号 p. II_38-II_49
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/31
    ジャーナル 認証あり

     腐食損傷した鋼部材に軽量かつ強度の高い炭素繊維強化樹脂(CFRP)を接着して補修・補強する工法が適用され始めている.2018年には,土木学会複合構造委員会から「FRP接着による構造物の補修・補強指針(案)」が発行され,エネルギー解放率を用いたはく離の照査方法が記載された.一方,CFRP接着補修・補強において,はく離荷重を上昇させる方法の一つに段差を設けてCFRPを積層接着する工法が提案されている.しかし,必要段差長を満たしていない場合のエネルギー解放率の算出方法や任意の段差位置におけるエネルギー解放率の算出方法は明らかにされていない.本研究では,任意の長さの段差を設けてCFRPが積層された一軸引張を受けるCFRP接着鋼板に対して,はく離の照査に用いるエネルギー解放率の算出方法を明らかにした.

  • 判治 剛, 舘石 和雄, 清水 優, 浅野 浩一, 石井 孝明, 小林 潔, 内田 大介
    2020 年 76 巻 5 号 p. II_50-II_61
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/31
    ジャーナル 認証あり

     本研究では,L形鋼をずれ止めに用いた鋼コンクリート合成床版の溶接継手部の疲労耐久性を実験および有限要素解析により検討した.合成床版試験体に対する静的載荷試験および解析により,L形鋼溶接部周辺では鋼板が局所的に面外変形し,特にまわし溶接部で高い応力集中が生じることを示した.また疲労試験により,コンクリートにひび割れが生じない程度の荷重を繰返し載荷することでL形鋼溶接部から疲労き裂が発生することを明らかにし,その疲労強度をホットスポット応力により安全側に評価できることを示した.さらに,合成床版を有する橋梁を対象とした解析を実施し,溶接継手部に生じる実応力挙動を求め,ホットスポット応力による疲労耐久性評価を試みた.

複合構造論文集第7巻(報告)
  • 野呂田 悠斗, 古内 仁, 高橋 良輔
    2020 年 76 巻 5 号 p. II_62-II_71
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/31
    ジャーナル 認証あり

     本研究は,ずれ止めとして頭付きスタッドを用いた鋼板コンクリート合成版を対象として,配置するスタッドの諸元が部材のせん断耐力に与える影響を調査し,定量的な評価を試みるものである.鋼板コンクリート合成版を1方向版と見なしたときのせん断耐力については十分に解明されておらず,現在は鉄筋コンクリート構造の耐力に低減係数を乗じたものが設計式として採用されている.この設計式では,ずれ止めによるせん断補強効果が考慮されておらず設計耐力を安全側に過小評価されることが多い.そこで本研究では頭付きスタッドの配置間隔や高さ,軸径などをパラメータとした実験を行い,その結果からずれ止めが与えるせん断補強効果を考慮した新たなせん断耐力の算定式を提案するものである.

  • 松本 稔将, 村越 潤, 小野 秀一, 高橋 実, 森 猛
    2020 年 76 巻 5 号 p. II_72-II_83
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/31
    ジャーナル 認証あり

     既設鋼床版橋の溶接部の疲労損傷に対する効果的な対策工法として,既存のアスファルト舗装を剛性の高いSFRC舗装に置き換える工法が適用されている.この工法は,鋼床版と場所打ちSFRCを接着剤により接合し一体化させ,鋼床版の局部変形・応力の低減を図るものであるが,輪荷重載荷時の繰返し応力作用や,水や温度による環境作用に対する接着剤接合部の耐久性に関しては,依然として知見が少ない.本研究では,接合用の2種類のエポキシ樹脂系接着剤による接合部を模擬した小型試験体を用いて,一面せん断による静的載荷試験と疲労試験を行い,接合部の疲労挙動を分析した.その結果,静的せん断強度で無次元化した疲労強度曲線を得るとともに,疲労強度と接合面の破壊形態との関係について明らかにした.

  • 辻本 輝司, 王 元斌, 中村 一史
    2020 年 76 巻 5 号 p. II_84-II_94
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/31
    ジャーナル 認証あり

     軽量で耐食性に優れたガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の特徴を活かした,GFRP検査路が開発され,実構造物に適用されている.本研究では,従来の組み立て式より,軽量化,合理化を図るために,一体成形サンドイッチパネル床版の適用を試みた.床版は,コア材,上下スキンプレート,フランジを一体成形で作製したものである.構造形式は,トラス桁形式と桁形式の2種類で,トラス桁形式では,床版の形状が上下非対称であるため,その向きもパラメータとした.まず,床版部の曲げ載荷試験を行い,曲げ変形や耐荷力を検討した.次に,3種類の実大検査路を対象に,NEXCO試験法に基づいた一連の試験を実施し,使用性,安全性を検証した.その結果,対象の検査路は,試験法の要求性能を満たすことがわかり,実構造へ適用可能であるといえた.

  • 寺口 大輝, 北根 安雄, 松井 孝洋, 舘石 和雄
    2020 年 76 巻 5 号 p. II_95-II_104
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/31
    ジャーナル 認証あり

     本研究では,鋼構造物の補修補強用に開発した山形断面を有するハイブリッドFRP引抜成形材について,鋼材との接合部に使用するせん断力を受ける支圧ボルト接合部の耐力評価を接合部供試体の引張実験により行った.ボルト列数,ボルトの種類,せん断面数,ボルトの軸力の有無,座金の種類をパラメータとして,それらが接合部耐力に与える影響について実験的に明らかにした.ボルト軸力の導入により,ボルト孔付近の面外変形が抑制され,接合部耐力がボルト軸力なしに比べて2倍程度に増加することを確認した.また,1面せん断と2面せん断の比較では,1面せん断の接合部耐力が2面せん断より最大17%低くなった.最後に,支圧接合用高力ボルトと摩擦接合用高力ボルトの比較では,接合部耐力に明確な差は確認できなかった.

複合構造論文集第7巻(小委員会報告)
  • 複合構造委員会・グリーンインフラとグレーインフラの融合に関する研究小委員会
    2020 年 76 巻 5 号 p. II_105-II_118
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/31
    ジャーナル 認証あり

     我が国にグリーンインフラの概念が導入された当初は,鋼やコンクリートを主材料とした従来からの構造物をグレーインフラと称し,グリーンインフラと対立する概念として議論がなされていた.しかしながら,最近では,双方の特性を踏まえて適切に組み合わせることで,新たな価値が創出され,安全・安心で持続可能な国土形成に役立つと期待されている.

     このような背景から,グリーンインフラとグレーインフラの融合に関する研究小委員会では,2018年6月~2019年5月の1年間,グリーンインフラとグレーインフラの組合せ(融合)に着目した広範な調査研究を行った.本稿は,その活動を通して取りまとめた報告書の概要を示している.

  • 複合構造委員会・維持管理を考慮した複合構造の防水・排水に関する調査研究小委員会
    2020 年 76 巻 5 号 p. II_119-II_133
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/31
    ジャーナル 認証あり

     本報告は鋼材とコンクリートを組み合わせた複合構造物の防水や排水に関する技術についてまとめたものである.複合構造物の維持管理においては,水の侵入が重要な課題であると言える.ここでは,複合構造物のなかでも橋梁に着目し,防水・排水に関する技術の現状調査や,試験によるメカニズム解明について検討を行った.技術の現状調査においては,文献による調査を中心に行い,床版に用いられている排水技術についてまとめるとともに近年注目されている電磁波レーダによる測定方法を紹介した.また,鋼材とコンクリートの境界面であるトリプルコンタクトポイントの腐食については,そのメカニズム解明を目的としていくつかの試験を実施しており,この試験について報告した.

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