土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
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複合構造論文集第9巻(招待論文)
  • 池田 学
    2022 年 78 巻 5 号 p. II_1-II_18
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/31
    ジャーナル 認証あり

     鋼とコンクリートの複合構造物(以下,複合構造物)が,鉄道構造物に初めて適用されてから約100年が経過した.鉄道分野における複合構造物の研究開発は,50年以上前から合成桁や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)構造物に関して行われ,その後コンクリート充填(CFT)構造物等の種々の複合構造物に関する研究開発が行われ,その成果が新たな構造や評価法の開発および実用化に貢献してきた.本稿では,代表的な複合構造物である合成桁,SRC構造物,CFT構造物,および既設構造物の複合構造化によるリニューアル技術を対象に,既往の文献をもとに,これまで鉄道分野で行われてきた研究開発の概要を整理した上で,今後の複合構造物の研究開発の展望について著者の考えを述べる.

複合構造論文集第9巻(報告)
  • 中島 章典, 渡邊 忠朋, 坂口 淳一
    2022 年 78 巻 5 号 p. II_19-II_28
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/31
    ジャーナル 認証あり

     複合構造物の合成部材やその接合部は使用時に一体性を確保している必要があるため,一般にずれ止めが配置される.複合構造標準示方書では,使用時にこのずれ止めに顕著な残留変位が生じないことを照査するものとしており,その照査のための限界値として,残留変位に対応する除荷前のずれ変位あるいはせん断力を規定している.しかし,スタッドおよびコンクリートが任意の材料特性を持つ場合,同示方書で規定するスタッドのせん断力-ずれ変位関係式上で,せん断力の限界値のときに同時にずれ変位の限界値となるのかは必ずしも明確になっていない.そこで本稿では,種々のスタッド諸元およびコンクリート圧縮強度を持つ場合について,同示方書で規定されるせん断力-ずれ変位関係式上におけるせん断力およびずれ変位の使用性の限界値を具体的に確認した.

  • 堀越 直樹, 小森 篤也, 鈴木 宣暁, 森 充広, 石井 将幸, 上野 和広
    2022 年 78 巻 5 号 p. II_29-II_41
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/31
    ジャーナル 認証あり

     水路トンネルの無筋コンクリート覆工を対象とした補強工法開発において,実物大試験体を用いた載荷試験を実施し,最適な補強量,補強範囲を検証した.覆工コンクリートの形状は,水路トンネルで実績の多い馬てい形とほろ形とし,補強材は炭素繊維ストランドシートおよびセラミック混合型エポキシ樹脂モルタルを用いた.載荷試験ではトンネル頂部背面の空洞や覆工コンクリートのひび割れを再現するとともに,ひび割れ補修の有無や覆工厚さを設定した.また,炭素繊維ストランドシートの補強量や補強範囲,インバート基部に発生する引張域へのアンカー配置等,試験体によって異なる補強を行い,耐荷性能および変位抑制性能を評価した.さらに,本工法の補強設計の観点から,実物大載荷試験の結果に基づいたCFSS補強量の設定方法を提案した.

  • 岡井 大樹, 橋本 国太郎, 林 厳
    2022 年 78 巻 5 号 p. II_42-II_53
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/31
    ジャーナル 認証あり

     既往の研究では乾燥処理をしたGFRPに,-5~40℃(1サイクル14時間)の熱サイクルを70回以上与えると引張強度および曲げ強度が低下すると示されているが,この熱付与時間に関する規定や乾燥処理の有無による影響はよくわかっていない.そこで本研究では,熱付与時間と含水量に着目し,GFRPの一方向材と二方向材を対象に乾燥処理の有無および1サイクル時間を変化させた熱サイクル付与試験を行う.熱付与後,引張試験と曲げ試験を行い,対象材料の機械的性質の変化とその要因を解明することを目的としている.試験の結果,乾燥処理をしない場合は,試験体の水分量の影響により,引張・曲げともに熱付与時間による機械的性質の明瞭な変化は見られず,乾燥処理をした場合には,熱付与時間が強度に影響を与える可能性があることがわかった.

複合構造論文集第9巻(論文)
  • 佐藤 顕彦, 北根 安雄, 日比 英輝, 五井 良直, 杉浦 邦征
    2022 年 78 巻 5 号 p. II_54-II_65
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/31
    ジャーナル 認証あり

     本研究では,ハンドレイアップ成形GFRPの引張疲労試験を実施し,疲労強度や繰り返し載荷に伴う剛性低下性状について調べた.試験の結果,GFRPの疲労強度はS-N曲線により評価でき,疲労限/静的強度比が35%であることがわかった.また,繰り返し載荷初期に急激な剛性の低下を生じ,その後は剛性が緩やかに減少し,破壊に至ることが分かった.さらに,既往の剛性低下モデルを用いてGFRPの静的な剛性の低下を再現することを試みた.解析の結果,疲労破壊したケースでは剛性低下モデルで使用される定数を補正することで剛性の低下を精度よく再現することが可能であった.一方,疲労限以下の応力を受ける場合は,既往のモデルでは剛性の低下を再現することが困難であるが,適切な安全率を設定することで供用中の剛性を担保できる可能性を示した.

複合構造論文集第9巻(小委員会報告)
  • H216 複合構造委員会・複合構造物の構造検査と性能評価に関する研究小委員会
    2022 年 78 巻 5 号 p. II_66-II_80
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/31
    ジャーナル 認証あり

     既存構造物の性能評価は主として材料劣化の観点で判断され,一般に安全側の評価を与えるものの合理化の余地が残されている.即ち,構造性能に着目して劣化の影響を定量化することが必要不可欠である.一方で,近年膨大に得られる点検データは構造物の「症状」を表すものから性能評価モデルの「入力」となるものまで幅広く,また,要求性能の満足度を間接的に表すとするものが大多数である.性能評価の信頼性はそれらを用いて判断する技術力に左右されている.本稿は,構造物の定量的な性能評価を今後進展させるために,点検・解析と性能評価の関係について,現状を確認して今後の課題を示し,ブラインド部材性能評価の実施で得られた知見に基づいて,根拠に基づいた体系への今後の方向を提案するものである.

  • H219 複合構造委員会・床版取替における既設合成桁橋の設計・施工技術に関する研究小委員会
    2022 年 78 巻 5 号 p. II_81-II_95
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/31
    ジャーナル 認証あり

     1950年代後半から1960年代にかけて,コンクリート床版と鋼桁からなる合成桁橋が経済性と合理性の観点から数多く建設されている.しかし近年ではコンクリート床版の損傷が著しく主桁の余剰耐力不足等,大規模更新工事により床版取替えや主桁の補強による延命化が図られている.合成桁の場合,床版取替え時の鋼桁のねじれ座屈や横座屈に対する対策や鋼桁に取り付くスタッド配置など多くの問題を抱えており,その対策が必要となる.

     そこで,本研究小委員会では種々の合成桁の設計・施工法を再整理し,床版取替え実績を調査した上で,接合構造と合成桁の床版取替え事例を示し連続合成桁の補強における課題と補強方法を提案した.また,完全合成桁と弾性合成桁の合成度の評価の考え方を説明し,将来に向け弾性合成桁設計の標準化に向けた方向性を示した.

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