出血性潰瘍の診断で内視鏡止血術を施行した70歳以上の高齢潰瘍患者において,術後再出血の危険因子はshock,輸血,潰瘍の大きさと数,活動性出血であり,死亡の危険因子は基礎疾患と入院患者に合併した潰瘍であった.これらの危険因子をもつ高齢潰瘍患者をハイリスク患者と位置づけ,止血手技の併用,second lookの徹底,IVRバックアップ体制の強化などにより,再出血率,死亡率をどこまで減少させうるか検討を行った.この結果,再出血率は15.5%から4.4%,死亡率は7.5%から2.2%への改善がみられ,ハイリスク高齢潰瘍患者においても,治療選択により再出血率,死亡率を改善させうる可能性が示唆された.