日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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最新号
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特別寄稿
今月のテーマ(総論):肝細胞癌診療up-to-date
  • 工藤 正俊
    2023 年 120 巻 1 号 p. 5-26
    発行日: 2023/01/10
    公開日: 2023/01/12
    ジャーナル 認証あり

    Early-stage肝癌における近年のトピックスの1つとしてSURF試験が挙げられる.SURF試験の結果,RFAと切除の間でRFSやOSに有意差がなかったことから,2021年版肝癌診療ガイドラインの3cm以下3個以内の肝細胞癌の治療戦略は切除とRFAが横並びとなった.Intermediate-stage肝癌においては,近年薬物療法とTACEとの組み合わせがTACE単独よりも良好であることが示されるようになってきた.Advanced-stage肝癌については,IMbrave150試験の結果によりアテゾリズマブ+ベバシズマブが1st lineの第一選択の薬剤となった.

今月のテーマ(総説):肝細胞癌診療up-to-date
  • 西岡 裕次郎, 長谷川 潔
    2023 年 120 巻 1 号 p. 27-34
    発行日: 2023/01/10
    公開日: 2023/01/12
    ジャーナル 認証あり

    近年の本邦におけるランダム化比較試験で径3cm以下・3個以下の肝細胞癌では肝切除とラジオ波焼灼法の成績に差は見出されなかった.しかし,治療法の決定には腫瘍位置や大きさを十分検討する必要があり,手術は正確な手技に基づく系統的切除を行うことが術後再発抑制の上で重要である.また,近年の薬物療法の発達にともなって肝細胞癌でも“Borderline Resectable”および“術前化学療法”という概念が視野に入りつつあり,多職種チームによる集学的治療の中で手術の安全性を担保することが重要である.背景肝機能不良の場合でも,近年適応拡大された肝移植を選択肢に入れて専門の移植施設と連携して診療を行っていくことが重要である.

  • 山下 竜也, 寺島 健志, 山下 太郎
    2023 年 120 巻 1 号 p. 35-45
    発行日: 2023/01/10
    公開日: 2023/01/12
    ジャーナル 認証あり

    肝細胞癌に対して本邦で行われている局所療法は,アブレーションとしてラジオ波焼灼術(RFA)とマイクロ波凝固術,肝動脈化学塞栓術(TACE)としてconventional TACE(cTACE)とdrug-eluting TACE(DEB-TACE)が確立されている.近年,肝切除とRFAとの比較試験により,RFAの位置づけが変わった.cTACEとDEB-TACEの違いについても比較試験にて明らかにされた.肝細胞癌の薬物療法が免疫療法へ変遷したことにより,これら局所療法と免疫療法の併用が現在検討されている.

  • 池田 公史, 今岡 大, 光永 修一
    2023 年 120 巻 1 号 p. 46-55
    発行日: 2023/01/10
    公開日: 2023/01/12
    ジャーナル 認証あり

    肝細胞癌の薬物療法はこの10数年で大きく様変わりした.ソラフェニブの分子標的治療薬に始まり,アテゾリズマブ+ベバシズマブの複合免疫療法と,現在では6レジメンが使用可能な状況となっている.これらの薬剤をどのように使い分けていくかは,患者の状態,治療効果,有害事象などを考慮の上選択していく必要がある.実際どのように使用されているのかは,リアルワールドデータから明らかにされると思われる.現在,Advanced stageの一次治療,二次治療,Intermediate stage,Early stage別に数々の第III相試験が行われており,これらの試験の結果から新たな薬物療法の登場も期待される.

  • 牧島 弘和, 水本 斉志, 櫻井 英幸
    2023 年 120 巻 1 号 p. 56-61
    発行日: 2023/01/10
    公開日: 2023/01/12
    ジャーナル 認証あり

    肝細胞癌は,治療は体系立てられていて,複数の治療モダリティーが確立されている稀有な疾患であるが,必ずしもすべての病態が網羅できているわけではない.こういった既存治療がうまくフィットしない症例に対して,放射線治療,特に体幹部定位放射線治療(SABR)や粒子線治療が期待されている.SABRや粒子線治療は従前の緩和,姑息的な放射線治療と異なり,高精度に病変を狙い撃つことにより,焼灼術と同等の高い局所制御率と低い毒性を実現した治療であり,近年急速な拡大をみせている.本稿では,それぞれの特徴と成績,また具体的にどのような病態が良い適応かを紹介していく.

座談会
原著
  • 小原 尚, 小金井 一隆, 辰巳 健志, 黒木 博介, 齋藤 紗由美, 杉田 昭
    2023 年 120 巻 1 号 p. 72-79
    発行日: 2023/01/10
    公開日: 2023/01/12
    ジャーナル 認証あり

    70歳以上で初回手術を施行した高齢者潰瘍性大腸炎(UC)104例を対象として,その臨床経過を後方視的に検討した.高齢者UC手術例では,術前後の状態が初回手術の術式や二期目以降の手術を実施するかに影響しており,最終的に自然肛門が温存可能であった症例は約半数であった.自然肛門温存例の排便機能は比較的良好で,永久人工肛門造設例の長期経過も良好であった.高齢者UCでは術後合併症発生率や死亡率が高く,特に術前performance status(PS)低下例と長期入院症例で術後合併症発生率や死亡率が高かった.高齢者UCでは,長期入院でPSが低下する前に手術適応と手術時期を適切に判断することが重要である.

症例報告
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