日本消化器病学会雑誌
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今月のテーマ(総論):門脈圧亢進症 up to date
  • 國分 茂博
    2019 年 116 巻 5 号 p. 363-373
    発行日: 2019/05/10
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル 認証あり

    門脈圧亢進症治療のこの10年の進歩は著しく,胃静脈瘤に対するBRTOは悲願であった薬事承認・保険認可に至り,腹水に対するTolvaptan,門脈血栓溶解に対する世界初のRCTによるAT-III製剤,観血的治療前に血小板を上昇させるTPO製剤などの薬物治療は,本邦を中心にこれまでにない程の飛躍的な発展を遂げた.一方C型慢性肝炎に対するDAAは,肝硬変への進展抑制に大きく貢献し,2019年1月には非代償性肝硬変にも保険適応となった.しかし,SVRとなっても静脈瘤を有する肝硬変例の進展は止められない,とする報告もあり,point of no returnは門脈圧亢進症か? と注目されている.

今月のテーマ(総説):門脈圧亢進症 up to date
  • 直江 秀昭, 田中 基彦, 佐々木 裕
    2019 年 116 巻 5 号 p. 374-385
    発行日: 2019/05/10
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル 認証あり

    肝硬変の概念は変化し,生命予後に関していえば代償性肝硬変と非代償性肝硬変は全く異なるステージであることが明らかになっている.門脈圧亢進症はしばしば肝硬変に合併するが,生命予後やQOLを左右するため,適切な評価と治療が必要である.門脈圧亢進症の侵襲的な診断法は,診断困難例では決定的な重要性を持つが,多くの場合は非侵襲的評価法が用いられており,侵襲的検査の必要性は低下している.近年,多くの血清肝線維化マーカーや画像診断が肝疾患進展の評価に適していることが示されている.それらの検査は門脈圧亢進症の診断法としてのエビデンスは弱いが,ある程度,適用することが可能である.それらの検査法には長所と短所があり,それぞれの特性を理解した上で門脈圧亢進症の診断法として活用することが重要である.

  • 岩本 拓也, 坂井田 功
    2019 年 116 巻 5 号 p. 386-394
    発行日: 2019/05/10
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル 認証あり

    門脈圧亢進症の原因として最も多いものは肝硬変であるが,その合併症は非常に多岐にわたる.代償性肝硬変患者においては軽度の全身倦怠・易疲労感・脱力感・食欲不振などの非特異的症状が認められるのみであるが,非代償期ではこれらの症状の増悪と腹水による腹部膨満,静脈瘤破裂による吐下血,門脈血栓症,脾機能亢進症,脳症による意識障害などが生じる.これに対してさまざまな薬物療法があるが,その中でも,1.食道・胃静脈瘤,2.肝性脳症,3.門脈血栓症,4.脾機能亢進症,5.胸腹水に対する薬物療法についての現状,および当科における知見を述べる.

  • 日高 央, 魚嶋 晴紀, 國分 茂博
    2019 年 116 巻 5 号 p. 395-403
    発行日: 2019/05/10
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル 認証あり

    門脈圧亢進症における消化管出血は,最も重篤な合併症の1つであり,その治療法には,内視鏡治療,手術療法,IVR治療および薬物療法が存在するが,本邦においては内視鏡が中心的な治療法である.食道胃静脈瘤に対する内視鏡治療のうち,EISとEVLは,血行動態や治療時期(緊急・待期・予防)によって使い分ける必要がある.また異所性静脈瘤からの出血も食道胃静脈瘤のコントロールが良好になるのにともない注目されるようになっており,直腸静脈瘤を中心に内視鏡を用いた診断と治療法に関して記載する.

  • 吉田 寛
    2019 年 116 巻 5 号 p. 404-411
    発行日: 2019/05/10
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル 認証あり

    門脈圧亢進症(特に静脈瘤)に対する手術療法やIVRを門脈血行動態に基づいて解説する.食道胃静脈瘤の手術療法には直達手術とシャント手術がある.シャント手術には門脈圧を減圧する門脈―大循環シャント術と,肝内門脈血流を維持して静脈瘤圧のみを減圧する選択的シャント術がある.IVRには【側副血行路塞栓】門脈側副血行路塞栓術(PTO・TIO),バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)と,【門脈圧減圧】部分的脾動脈塞栓術(PSE),左胃動脈塞栓術(LGE),経皮的肝内門脈静脈シャント術(TIPS)がある.門脈圧亢進症では血行動態を把握し,1つの治療法に固執せず,その血行動態に即した治療法を選択することが重要である.

原著
  • 于 志峰, 友田 要, 酒井 保奈, 高木 真信, 柴田 亮介, 西田 悠, 野村 祐介, 多田 秀敏, 前田 哲男
    2019 年 116 巻 5 号 p. 412-418
    発行日: 2019/05/10
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル 認証あり

    小腸閉塞の診断精度向上や治療最適化の目的で簡易な単純性小腸閉塞スコア(0~4)を作成し,当院で経験した機械性小腸閉塞94例のanterior adhesion,small bowel feces signを含めた単純性小腸閉塞スコアと小腸内容物のサブ分類の有用性について,後方視的検討をした.単純性小腸閉塞スコア3点以上の場合は99%が単純性小腸閉塞であり,絞扼性小腸閉塞の除外には有用である.一方,単純性小腸閉塞スコアが0~1点の場合は47.5%が絞扼性小腸閉塞であった.小腸内容物が硬便の場合は絶食・経鼻胃管の奏効率(約70%)が高く,イレウス管留置が不要と考えられた.

症例報告
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