脳と発達
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総説
小児のめまい
五島 史行
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2017 年 49 巻 4 号 p. 237-242

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抄録

 小児では, 成人に比較してめまいの頻度はおよそ100分の1程度と報告されている. 成育医療研究センター病院の77例では片頭痛関連めまい (N=21), 良性発作性めまい症 (N=16), 片側前庭障害 (N=12), 心因性めまい (N=8) でありこの4疾患で74%をしめた. 7歳未満では良性発作性めまい症が, 7歳以上では片頭痛関連めまいが最多であった. 最も高頻度であった良性発作性めまい症の診断には頭痛の有無, 家族の片頭痛の有無, 乗り物酔いのしやすさなどが診断の助けとなる. 良性発作性めまい症と片頭痛関連めまいは移行することが知られている. 発作が頻発し, 発作に対する予期不安が強くなると不登校の原因となることがある. 早期に正確な診断, 治療を行う必要がある

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© 2017 一般社団法人日本小児神経学会
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