2017 年 58 巻 8 号 p. 1024-1030
思春期・若年成人,いわゆるAYA世代に発症する急性リンパ性白血病(ALL)は小児科と血液内科の双方で治療されるが,従来は臨床試験への参加率も低く治療成績の向上も十分ではなかった。近年小児型レジメンの普及に伴って治療成績の向上が実現し,またその特徴的なbiologyの解明も急速に進んできた。今後AYA世代ALLの治療成績をさらに向上させ,同時に教育や就労支援といったAYA世代特有のニーズに応えるためには,小児科医と血液内科医の連携・共同研究と心理士やケースワーカー,学校教員なども含めた多職種アプローチが必要である。