筆者らは,開発中の団地の微気候を調査するために愛知県日進市にある香久山団地を1994年から1998年に継続的に調査し,その結果を本誌に報告した.本研究では,微気候形成に及ぼす要因分析を目的に,2001年~2003年に追調査を行った.移動観測では気温,湿度,風向・風速,日射量を測定し,同時に集合住宅の屋上で定点観測を行った.その結果,標高の影響を排除すると,気温分布を決定する要因は周辺の緑被率と平均建物高さであることを確かめた.また,小規模な建物が建設された場合でも,気温形成にある程度の影響を及ぼす可能性があることを示唆した.