大気環境学会誌
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技術調査報告
排ガス中のダスト及びPM2.5の連続測定法の検討
丹羽 忍芥川 智子酒井 茂克秋山 雅行小暮 信之田中 敏文瀬賀 八郎
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2011 年 46 巻 4 号 p. 233-239

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抄録

小規模煙道用として最近開発されたノンサンプリングの光散乱式ダスト濃度計(DDM-HAL2)を用いて、ダストとPM2.5の連続モニタリングについての検討を行った。まず、実験室において、試験用粉体(JIS Z 8901)としてフライアッシュ(5、10種)、関東ローム(7、8、11種)、タルク(4、9種)の計7種類を選定し、DDM-HAL2の機器性能試験を行った。その結果、粉体の濃度変化に対する応答性の良さ、性能試験における粉体の取り扱い性や再現性の適・不適、DDM-HAL2の指示値とダスト及びPM2.5濃度の間に共にR=0.9以上の高い相関性などが認められ、PM2.5の連続測定の可能性も明らかになった。一方、農作物残渣・木屑ペレット燃焼ボイラと都市ビル等熱源用の木質バイオ・天然ガス燃焼ボイラを対象に、DDM-HAL 2の現場実証試験を行った。その結果、ほとんどが平均径0.5~0.8μm程度の微粒子に対して0.04g/m3N~1.5g/m3Nの広い濃度範囲において、ダスト濃度だけでなくPM2.5濃度においても極めて高い相関性(R=0.977、0.983)を有すること、長期間にわたる指示値やゼロ点の安定性の良さ、低濃度においてダスト及びPM2.5濃度の急激な変化を的確に捉えられることなどが実証された。

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© 2011 社団法人 大気環境学会
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