大気環境学会誌
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最新号
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総説
  • 竹内 政樹
    2026 年61 巻1 号 p. 1-7
    発行日: 2026/01/10
    公開日: 2026/01/10
    ジャーナル フリー

    大気環境学会学術賞受賞の対象となった“大気中水溶性ガス・粒子状物質の自動化分析”について、その研究に至った背景とおもな研究成果を紹介する。ここでは、研究内容を次の4つ、すなわち、1)これまで環境科学的に注目されてこなかった朝露について、その発生頻度と大気中ガス・エアロゾル成分の寄与率、大気汚染物質と露水内成分濃度の支配要因の解明、2)大気中水溶性酸性ガスとエアロゾルに含まれる陰イオン成分を高い時間分解能で分別捕集・分析するための大気中ガス・エアロゾル連続捕集器の開発、3)先に開発した捕集器とイオンクロマトグラフを組み合わせて構築した大気分析システムによる富士山頂に流入する大気汚染物質の自動化追跡、4)大気分析システムのさらなる小型・高性能化を志向した分析モジュールの開発、に分けて述べていく。

  • 長田 和雄
    2026 年61 巻1 号 p. 8-15
    発行日: 2026/01/10
    公開日: 2026/01/10
    ジャーナル フリー

    大気中のアンモニアは、微粒子化や沈着を介して多方面の環境に影響を及ぼしている。アンモニアはエアロゾル粒子の生成や中和に関与し、沈着や地表面での交換により大気濃度が変化する。畜産や耕種農業活動からの発生量が大きいとされているが、アンモニアは大気中での寿命が短いため、「弱いがあちこちにある発生源」の実態把握も重要である。この総説では、大気へのアンモニア発生源を概観し、ガス状アンモニアと粒子状アンモニウム塩を1時間ごとに連続して観測できる装置の概要を述べ、強力な発生源が近傍にない地点で連続観測した結果を紹介する。まず、短時間の変動要因として霧や露の揮発に伴うアンモニア濃度の急増と、暖候期の朝に日射が存在する場合に限ってアンモニア濃度が増加する現象について紹介した。次に、東京での冬季弱風時にNH3とPM2.5濃度が同時に上昇する原因として自動車排出ガスの寄与を指摘し、コロナ禍での緊急事態宣言により人流と物量が低下した期間にはNH3濃度が前後の年の同時期に比べて2割も減少したことを示した。さらに、越境大気汚染による酸性粒子の輸送が福岡でのアンモニア濃度の低下をもたらしたことにも触れる。

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