美術教育学:美術科教育学会誌
Online ISSN : 2424-2497
Print ISSN : 0917-771X
ISSN-L : 0917-771X
「余白」の理解を目的とした長谷川等伯「松林図屏風」の鑑賞教材化研究
小倉 千絵
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 27 巻 p. 107-119

詳細
抄録

「松林図屏風」には,松林に漂う深い霧が見える。豊かな質感と情感のある柔らかな霧の美しさこそ,本作品の魅力だろう。しかし,実際に描かれているのは松のみである。そのような霧は画面のどこにも描かれていない。霧は全くの余白である。本稿では,その余白の独自性を考察し,その余白体験を中心とした授業の展開構造を検討した。また,中学校での授業実践を行い,この余白の理解を目的とした教育的可能性を確認した。

著者関連情報
© 2006 美術科教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top