美術教育学:美術科教育学会誌
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美術鑑賞文におけるレパートリー構造の質的分析
王 文純石崎 和宏
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2007 年 28 巻 p. 429-440

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抄録

本研究の目的は,鑑賞レパートリーにおける複合型の構造的な特徴と,複合型レパートリーに移行する状況の特徴について明確化し,さらに鑑賞レパートリーの熟達にかかわる学習要因について考察することである。まず,中学生から大学院生までの鑑賞文を事例分析することによって,さまざまな複合型レパートリーを構造図によって示すとともに,鑑賞レパートリーにおける多様性の特質と鑑賞レパートリーそのものの発達的特徴を明らかにした。また,複合型レパートリーの生成が,鑑賞レパートリーの熟達化において重要な鍵となることを指摘した。さらに,熟達した鑑賞レパートリーを形成させていくために,レパートリー理論の知見を生かした学習支援策の方向性と今後の課題を示した。

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© 2007 美術科教育学会
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