美術教育学:美術科教育学会誌
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鑑賞能力と主題感受の関わりを求めて
岡本太郎作『森の掟』の鑑賞(中学2年生)へのフィードバック鑑賞を事例として
立原 慶一
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2018 年 39 巻 p. 209-222

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抄録

 小論は中学2年生が,岡本太郎作『森の掟』と東山魁夷作『白馬の森』の違いや共通なところを知的に探ったり美的に感じたりする場面で,一体どのような叙述がワークシートで展開されるのか。さらにそれらを踏まえて最終的な主題把握の場面で,「情感」それとも「意図」が感受されるのかに着目し,その因果関係を探ろうと思う。  その違いを決定づけるのは,基本的に美的感受能力そのものであることが本研究によって判明した。もとよりそれは作品の造形的特徴から感受された,美的特性の回数をカウントすることで序列化される。高回美的特性感受組の方が中回美的特性感受組や,低回組よりも多く主題を情感として感受できるのである。

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