論文ID: 2023-002
間接資材国内最大手のモノタロウの競争力の源泉は何か。本稿では、モノタロウの事業戦略をWTAならびにその攪乱要因の視座から分析を試みた。その結果、モノタロウは、マルチホーミング・コストの視座では、WTA要因を満たすことで顧客基盤維持とさらなる顧客獲得をも誘発すると同時に、ニッチ市場の数と大きさの視座では、WTAの攪乱要因を満たすことで現在の地位を確立しているというインプリケーションが得られた。加えて、モノタロウはその市場の特殊性ゆえに、ターゲット拡大に伴う取扱い点数の継続的な増大によるいわば一時的な競争優位の連鎖を獲得しており、それゆえメガプラットフォーマーが実践する戦略とは異なることが示唆された。