動物遺伝研究会誌
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ブタ生長ホルモン遺伝子における遺伝的多型性
小林 栄治島貫 伸一松本 敏美柳井 智秋田 富士峰澤 満
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1999 年 27 巻 1 号 p. 14-24

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抄録

ブタ成長ホルモン遺伝子の第1イントロン (ApaI) , 第2エクソン (CfoIおよびDdeI) および第2イントロン (MspI) における多型の分布を, 農水省畜試で飼養する4品種の豚集団 (ランドレース種78頭, ラージホワイト種29頭, デュロック種17頭および梅山豚39頭) を用いて, PCR-RFLP法により調査した.プライマーとして2種類のオリゴヌクレオチド (5'-GAGGCCAAGTTTTAAATGTCCCTG-3'および5'-TTGGGAATCCCTTCAGTTTACAC-3') を用いた.遺伝子型は, PCR反応によって得られた422bpのDNA断片を各制限酵素により切断し, 電気泳動後の切断片の組合せから判定した.CfoI部位では, ランドレース種はC1, C2およびC4型を, デュロック種はC3およびC4を, 梅山豚はC1およびC2を, ラージホワイト種は全ての型をそれぞれ保有していた.また, その他の3部位では, 梅山豚は一つの対立遺伝子に固定していたのに対し, 他の3品種では二つの対立遺伝子からなる3遺伝子型が観察された.遺伝的多型性の比較では, ランドレース種が最も多型性が高く (均質度4部位平均0.189) , 続いて, ラージホワイト種 (0.287) , デュロック種 (0.405) であり, 梅山豚が最も低かった (0.913) .この傾向は多型情報量およびヘテロ接合割合でも同様であった.しかしながら, ラージホワイト種のMspI部位では多型性が極端に低く (均質度0.932) , 他の3部位ではランドレース種よりも多型性が高かった (0.043-0.113) .

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© 日本動物遺伝育種学会
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