經營學論集
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第83集 新しい資本主義と企業経営
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自由論題
(13)チャンドラーの経営史の方法と企業理論
──取引費用論とケイパビリティ論の視座から──
*澤田 浩二
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p. F13-1-F13-11

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抄録

チャンドラーは垂直的に統合された現代企業が形成されたのは取引費用の低減のためであると論じている。しかしチャンドラーは現代企業の発展を説明する上で、企業の有するケイパビリティに着目し、経営史を論述してきた。チャンドラーは企業の有するケイパビリティを組織能力として明確に概念化している。チャンドラーの経営史からは統合されたケイパビリティを確立することが現代企業の発展にとって不可欠であると理解することが出来るが、チャンドラーの経営史の限界はダイナミック・ケイパビリティの見解を取り入れて経営史を論述することはなかったということである。ダイナミック・ケイパビリティ論では環境の変化に合わせてケイパビリティを修正、適応させていくことに重点を置いているが、ダイナミック・ケイパビリティを構築することが現代企業の発展や、競争力の維持にとって重要である。

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© 2013 日本経営学会
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