企業における技術開発,生産・調達との連携,開発体制,全社的な組織革新が長期利益を生み出す事業モデルにどのようにつながるのかなど,今日の企業の生産活動,「ものづくり(経営)」を体系的に把握し展望するうえで,技術経営論,生産システム論の視点は多くの示唆を与えてくれる。今日,競争環境に対応する戦略性を持って,新興国も視野に入れた新技術の開発を軸に,生産・調達の変革,さらに組織革新を進めている製造企業が多く見られる。開発・生産技術・製造部門の連携,生産工程における機械設備・労働の多品種対応能力,部品企業との連携など,日本的特質でもあり日本企業の優位性を持つ内容についても,国内と「現地化」といった国際分業の中で,その特質を見直し,より広い視野で活かす方向での展開が模索されている。