本稿は企業の海外展開の結果,必要に迫られている撤退,特にリショアリングのドライビング・ファクターに焦点を絞り,先行研究に基づく13項目を設定しアンケート調査を実施した。
結果として,今回の調査では以前話題となっていたような発展途上にある中国に起因するリショアリングは少なくなり,今まで優位性を保つことのできた中国国内での輸送や輸送費,関税,労務費や為替などが,競争劣位となり,カントリーリスクの増大や内陸に移転する工場の輸送時間の延長などによって,将来を見据えたリショアリングを行う中小企業が増えているということを明らかにすることができた。