日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌
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子牛における隔離および輸送に対する生理および行動反応
小木野 瑞奈山崎 淳松浦 晶央入交 眞巳甫立 孝一
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2011 年 47 巻 1 号 p. 12-20

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抄録
子牛において、行動、唾液および血液中コルチゾール(CORT)およびクロモグラニンA(CgA)、血液中プロラクチン(PRL)および心拍変動(HRV)の社会的隔離(実験1)および輸送に対する反応(実験2)について検討した。実験1では、唾液および血液中CORTおよびCgA濃度に隔離による上昇はみられなかった。一方、血液中PRL濃度と心拍数(P<0.05)が隔離した子牛において上昇した。また、行動反応の結果から、隔離により子牛が不快な条件下にあったと考えられた。実験2では、血液中CORT濃度と、血液中PRL濃度、low frequency/high frequency比が輸送用トラック積み込み直後に有意に上昇した(P<0.05)。本実験の結果から、今回の実験条件下における隔離は、視床下部-下垂体-副腎皮質軸(HPA axis)および交感神経系の活性を十分に促すほど強い刺激ではなかったことが示唆された。輸送はHPA axisおよび交感神経系に含まれるCORTおよびHRVパラメータを変化させたが、CgAは変化しなかった。
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© 2011 日本家畜管理学会・応用動物行動学会
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