抄録
カンザワハダニ23 系統のミトコンドリアチトクローム脱水素酵素サブユニットI(COI) の一部約705 bp の塩基配列を比較した.52 塩基(7.4%)で多型が検出されたが,塩基置換の飽和は検出されなかった.したがって,この領域を系統解析に使用することは適切と考えられた.最尤法によって系統解析を試みると,すべての系統がひとつのクレードにまとまり,これらの系統が単系統であることが明らかとなった.しかし,地理的距離と遺伝的距離の相関は検出されず,地理的変異の指標としての本遺伝子を用いることが適切かどうかは,さらに解析が必要と考えられた.