抄録
核ゲノム上リボゾームDNA のITS1 領域とミトコンドリアCOI 遺伝子のDNA 塩基配列を用いて,北海道北部で採集されたカンザワハダニ個体群の遺伝的多様性を調査した.ITS では5 個,COI では13 個のDNA ハプロタイプが検出された.COI のアミノ酸ハプロタイプ数は5 個だった.分子系統学的解析によってすべてのハプロタイプの単系統性が支持され,すべてがカンザワハダニ種群であると考えられた.ITS1 とCOI ハプロタイプの地理的分布はおおむね一致していた.この地域で,他の地域に比べて大きな遺伝的多様性が認められたことから,本種群の起源は従来考えられていた東南アジアではなく,北東アジアであることが示唆された.