2025 年 34 巻 2 号 p. 77-95
2024年,私たちは一般的なPCR手法を用い,岡山県側の中国山地において採集したマダニから重症熱性血小板減少症候群ウイルス(SFTSV),Dabieshan tick virus(DBTV)及びJingmen tick virus(JMTV)の検出を試みた.
1,053匹のダニから作成した95プールのうち,フタトゲチマダニからなる47プールからDBTVを,タカサゴキララマダニからなる2プールからJMTVをそれぞれ検出した.一方,SFTSVは確認されなかった.なお,予期せずSFTSVと最大88.3%の配列相同性を持つウイルスをヒゲナガチマダニ,Okutama tick virus(OKTV)をキチマダニの各1プールからそれぞれ検出した.当該SFTSV様ウイルスS分節は,他のBandavirus属と同様のアンビセンス構造を有し,既存種のそれとは系統学的に明確に区別された.
本研究は岡山県で採集したマダニから,DBTV,JMTV,OKTV及び推定新種のBandavirus属が検出された初の報告である.