日本ダニ学会誌
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皮膚科患者および一般人のダニに対する意識のアンケート調査
大滝 倫子川上 裕司
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1998 年 7 巻 1 号 p. 23-28

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抄録
1993年3月より,1994年2月まで九段坂病院皮膚科を受診した20歳以上の新患患者1,884名,および20歳以上の一般人1,046名にダニ対するアンケート調査を行った.ダニが原因と思って九段坂病院皮膚科を受診した112名中ダニ刺されは1名のみであった.ダニあるいは昆虫に関係する症例は24名で両者合わせても22.3%にすぎない.過去のダニの被害の訴えは皮膚科患者では27.4%,一般人では39.5%,いずれも女性に訴えが多かった.ダニ被害の有った人のうち皮膚科患者では男性17.2%,女性24.8%,一般人では男性11.1%,女性18.6%が医師を受診しており,いずれも女性のほうが受診率が高い.医師により皮膚科患者では51.3%,一般人では57.1%がダニないし虫刺されと診断された.ダニ被害ありとする人の50%(皮膚科患者),80%(一般人)が殺虫剤を使っていた.殺虫剤の種類では畳注入式が一位を占め,点火式燻煙剤がこれに次ぐ.本報告の一部は日本皮膚科学会第58回東京支部会(1995年2月,横浜市)及び第47回日本衛生動物学会(1995年4月,津市)で報告した.
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