抄録
東京近郊の5住宅で,新しいタイルカーペットを敷き詰め,所定期間使用した後に調査対象とした部分だけを回収し,屋内塵の蓄積やダニ相の変遷を調査した.細塵量およびダニ総数は使用開始から約12か月の範囲では,使用期間の長期化に伴って増加する傾向が認められた.しかし細塵量は,使用開始から1か月間での蓄積量と,数ヶ月使用したカーペットの,1か月間当たりの平均蓄積量は,前者のほうが多くなる傾向があり,カーペット使用開始初期は細塵の蓄積量が多くなる傾向が認められた.毎月交換した1か月区カーペットでは,ダニ総数やコナヒョウヒダニ(Df)とヤケヒョウヒダニ(Dp)の種構成の推移が,同じ社員寮の中の2戸の住宅で類似するケースが見られたが,5住宅に共通する季節消長は認められなかった.回収された大半のカーペットのダニ相はDfまたはDpが優占種となった.また使用開始から1か月では,ダニ総数は少ないものの,チリダニ優占のダニ相で安定することが示唆された.しかしDfとDpの優占順位は住宅あるいは回収月によって変動し,この2種の種間競争はカーペットの使用歴に影響されないことが示唆された.