抄録
神奈川県内の建物屋上に水盤トラップを設置し,風で飛ばされてくるササラダニとトビムシを捕獲していたところ,アラメマブカダニ属(新称)Cosmopirnodusの1新種が得られ,アラメマブカダニ(新称)Cosmopirnodus angulatus sp. n. と命名し記載した.本種はC. tridactylus Mahunka, 1988によく似ているが,第2股条が短く左右のそれが接していないこと,後体部肩部と翼状突起の角がより突出し,全体に角張った体型であること,背毛が短く,tiがteの毛穴に届かないこと,肛毛,肛側毛が短く,肛側毛が肛毛の毛穴に届かないことなどによって区別される.なお,本属の種の分類学的な報告は本邦初である.