ADC Letter for Infectious Disease Control
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VasSF治療によるSCG/Kjマウスの産次数の上昇
Minako KouraYuko DoiFukuko KishiYosuke KameokaYoshio YamakawaRora NagasawaFuyu ItoYasutomo HamanoKazuo SuzukiOsamu Suzuki
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研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2021 年 8 巻 1 号 p. 33-35

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抄録

背景:SARS-Cov-2のウイルス感染は血管炎や川崎病のような症状による重篤な病因を引き起こす。血管炎研究、例えば我々が血管炎治療候補薬VasSF(IgGの組換え一本鎖Fv)の治療効果研究に用いた血管炎モデルのSCG/Kjマウスは有用だが、繁殖力が低い難点がある。 目的:SCG/Kjマウスの繁殖力を向上させるためにVasSF治療が有効かを検討した。 方法:SCG/Kj雌マウス(7匹)をVasSFで治療した後、SCG/Kj雄マウスと交配し、雌の産仔生産能力をVasSF処理なしの雌(12匹)と比較した。尿蛋白質と尿潜血も調べた。 結果:VasSFにより2産目が得られるSCG/Kj雌の割合(2産率)が増加したが、同腹産仔数や妊娠率は増加しなかった。治療群の2産率と尿蛋白質スコアに弱い関連性が見られたが,尿潜血スコアとは相関しなかった。 結論:VasSF治療はSCG/Kjマウスの雌の2産率の上昇をもたらした。これは血管炎/腎炎の進行が抑制されたためと推察された。VasSFによる産次数の向上により、血管炎/腎炎の研究においてSCG/Kjマウスの利用促進が期待できる。

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