接着歯学
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接着性レジンセメント『新規パナピア (開発コード: TPN-S)』に関する臨床的研究
内山 洋一小林 國彦中川 英俊疋田 一洋久米 麻也子小玉 尚伸
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1993 年 11 巻 3 号 p. 141-155

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抄録
現在臨床で用いられている接着性レジンセメントの多くは象牙質に対する接着性とその耐久性についてはまだ問題が残されている。株式会社クラレにより開発された歯科用接着性セメント「開発コード: TPN-S」は, 現在広く用いられている接着性レジンセメントよりも特に象牙質に対する接着性とその耐久性が格段に増加したことが実験により確認されており, また有髄歯に対する歯髄刺激についても動物実験により問題がないと報告されている。そこで今回この材料の臨床的有用性を検討するために臨床的諸性質について総合的に評価を行った。
被験者は, 北海道大学歯学部附属病院第二補綴科に来院した患者の30名であり, 本臨床試験材料により歯冠修復物の合着を行い, 術前, 術直後, 1週間以降および3か月以降に診査を行った。
その結果, 「TPN-S」は, 臨床的有用性が非常に高いものと判断された。
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