接着歯学
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光硬化型グラスアイオノマーセメントの歯髄刺激性
接着性レジンと従来型グラスアイオノマーセメントとの比較
猪越 重久庄野 常一大槻 昌幸島田 康史田上 順次
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1997 年 15 巻 1 号 p. 104-110

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抄録
過去に当教室で行われた歯質接着性レジン、裏層用グラスアイオノマーセメントそして従来型ならびに光硬化型グラスアイオノマーセメントの歯髄刺激性試験の研究成績をもとにし、光硬化型グラスアイオノマーセメントの歯髄刺激性を、歯質接着性レジンや従来型グラスアイオノマーセメントのそれと比較した。その結果、光硬化型グラスアイオノマーセメントの歯髄刺激性は、従来型グラスアイオノマーセメントと同様な低い歯髄刺激性を示し、ポリアクリル酸やクエン酸による歯面処理を行っても歯髄刺激性が増加することはなかった。さらに、同様な歯面処理をした後に、Liner Bond Systemを使用してコンポジットレジンを填塞した場合よりも歯髄刺激性が格段に低かったことより、本セメント自体のもつ為害性はLiner Bond Systemのそれよりも低く、従来型グラスアイオノマーセメントとほぼ同程度であると考えられた。
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© 日本接着歯学会
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