接着歯学
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接着性レジンによる形成面のプレコーティングに関する検討
直接法による暫間被覆冠作製時の分離材について
稲田 純一小林 國彦佐藤 範幸疋田 一洋小玉 尚伸伊藤 省吾内山 洋一
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1997 年 15 巻 1 号 p. 41-47

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抄録
保存修復で用いられているプレコーティング法を歯冠補綴に応用する場合、口腔内における暫間被覆冠作製時の分離材の選択など様々な考慮すべき問題がある。本研究では、ライナーボンドII (株: クラレ) を用いてプレコーティングを行った歯面に、直接、暫間被覆冠を作製することを想定して、常温重合型レジンのユニファストII (株: ジーシー) に対する様々なレジン分離材の分離効果およびそのレジン分離材の残留が合着に使用するパナビア22 (株: クラレ) の接着に及ぼす影響について検討を行った。試料は勇断接着試験および破断面のSEM観察によって評価した。レジン分離材として、ワセリン (株: ヤクハン)、トクソーレジンセパレーター (株: トクヤマ)、オキシガード (株: クラレ)、オキシガードII (株: クラレ) を用いた。その結果、以下のことが示された。
(1) 今回用いた分離材の中では、オキシガードが臨床的に十分使用できると思われる分離効果が得られた。
(2) オキシガードの分離効果はその主成分であるポリエチレングリコールによるところが大きいことが示唆された。
(3) オキシガードの残留は接着性レジンの接着阻害因子となるものの、水洗等で除去することによりその因子は除去されることが示唆された。
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© 日本接着歯学会
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