官能基の中にリンを含有する機能性モノマーがチタンと接着性レジンとの接着耐久性に及ぼす影響について評価した.非貴金属用機能性モノマーとして10-メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンフォスフェート (MDP) を含む材料 (アロイプライマー), 6-メタクリロキシヘキシルフォスフォノアセテート (MHPA) を含む材料 (メタルリンク), メタクリレートフォスフェート (MP) を含む材料 (アイサイトオペークプライマー) の3種をプライマーとして用いた.金属試料 (T-アロイH) を70μmのアルミナでサンドブラスト処理後, おのおののプライマーを塗布し, 試料上に置いた真鍮リング中に接着性レジン (スーパーボンドC&B) を筆積みし重合させ, 熱サイクル前後にせん断試験を行った.熱サイクル前において, アロイプライマーとメタルリンクによる処理群は, 処理なしおよびアイサイトオペークプライマー処理群より有意に高い接着強さを示した (p<0.05).熱サイクル後 (20,000回) においては, アロイプライマーによる処理群が他の処理群よりも有意に高い接着強さを示した (p<0.05).アイサイトオペークプライマーの処理群は, 熱サイクル前後ともにプライマー処理なしと有意差はなかった (p<0.05).
