抄録
BPA型エポキシ樹脂/リン含有フェノキシ樹脂混合硬化物のモルフォロジーと特性におよぼすリン含有フェノキシ樹脂配合率の影響をBPA型フェノキシ樹脂混合硬化物のそれと比較しながら調べた。リン含有フェノキシ樹脂混合硬化物は,いずれも完全相溶系を形成すること,ハロゲンフリー難燃性(VTM-O)は、リン含有フェノキシ樹脂配合率20wt.%以上(リン度0.9wt.%以上)で発現すること,リン含有フェノキシ脂配合率40wt.%以上で破断伸度およびビール強度は若干増大すること,電気絶縁信頼性は,リン含有フェノキシ樹脂配合率を増やしても全く損なわれないことがわかった。これに対し,BPA型フェノキシ樹脂混合硬化物は,ミクロ相分離系を形成し,破断伸度およびビール強度とフェノキシ樹脂配合率との関係は,共連続構造を形成するBPA型フェノキシ樹脂配合率30wt.%で極大値を有する曲線となること,同系の電気絶縁信頼性がBPA型フェノキシ樹脂配合率30~50wt.%の範囲で低下する点,リン含有フェノキシ樹脂混合硬化物との違いが認められた。