日本接着学会誌
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総合論文
  • 赤松 允顕
    2026 年62 巻10 号 p. 219-223
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/23
    ジャーナル 認証あり

    接着および濡れ性は,固体・液体界面において発現する代表的な界面現象であり,その本質は界面で働く分子間力にある。従来,接着現象はvan der Waals 力,水素結合,静電相互作用,Lewis 酸塩基相互作用などを中心に理解されてきたが,近年では芳香環のπ電子が関与する非共有結合性相互作用が新たな界面設計の指針として注目されている。本稿では,接着・濡れ性に寄与する代表的な分子間力を概説するとともに,カチオン– π相互作用の接着への寄与について紹介する。さらに,電子欠乏性芳香環を利用したアニオン– π相互作用に着目し,界面におけるイオン認識と濡れ性制御に関する筆者らの研究を概説する。これらのπ相互作用は,従来の表面改質とは異なる分子認識に基づく界面機能制御を可能にし,今後の接着材料や機能性界面の設計に新たな展開をもたらすことが期待される。

総説
  • 田中 亮, 鋤田 恵士
    2026 年62 巻10 号 p. 224-231
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/23
    ジャーナル 認証あり

    Polyolefins are widely used in various applications for their lightweight, excellent mechanical strength, good processability, and resistance to chemicals and weathering. Originally, incorporation of boron functionalities into polyolefins was one of the most reliable methods for installing polar functional groups. In recent years, however, this chemistry has been further developed as a strategy for addressing environmental challenges and promoting the efficient reutilization of polyolefin-based materials. This review summarizes the development of synthetic approaches for boronfunctionalized polyolefins via copolymerization, chainend modification, and postpolymerization functionalization. The review also covers reversible crosslinking systems using boronic acid derivatives, including our recent contributions.

解説27.水と触れ合う接着材料のフロンティア
  • 辻岡 一眞, 松尾 保孝, 平井 悠司
    2026 年62 巻10 号 p. 232-238
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/23
    ジャーナル 認証あり

    水中での接着は,接着界面に存在する水の影響で困難なことが多い。しかし,自然界にはフジツボやタコなどのように接着物質や吸盤を用いて強固かつ素早く吸脱着が可能な生物も多数存在している。我々は水中で可逆的かつ素早く吸脱着可能なウバウオに着目,ウバウオが腹部に持つ吸盤表面の内部に存在する微細構造の機能について,模倣材料の作製や接着力評価,FEMシミュレーションを用いて解明を試みた。構造パラメータを変えて模倣材料を作製して接着力を測定した結果,硬い繊維構造によって剥離界面の変形応力が分散され,接着力が増強されていることが明らかとなった。さらに内部の微細構造の形状によってもその増強効果の程度が異なり,連続的な構造体がより効果的であることも示唆され,様々な環境下で利用可能な接着材料開発の指針を得ることができた。

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