2013 年 49 巻 7 号 p. 237-243
溶融混練で作製されるポリメタクリル酸メチル (PMMA)/ポリビニルアルコール (PVA)ブレンドは,動的粘弾性測定による損失弾性率にはそれぞれの成分に基づく2つのピークが出現し,非相溶系であることを示している。高温側に出現する PMMA に基づくピークは,PMMA 単独のピークより高温にシフトし,この効果は PVA のケン化度が高いほど顕著であった。示差走査熱量測定から PMMA/ポリ酢酸ビニルブレンドは非相溶系であった。PVA 中の酢酸残基と PMMA の低い相溶性が,ケン化度の低い PVA で損失弾性率のピーク温度を高める効果が低かった原因である。分子軌道法による成分モノマーユニット中の原子の電荷の計算結果から,PMMA のカルボニル基と PVA のヒドロキシ基間の強い分子間相互作用が示唆された。1分子中にカルボニル基とヒドロキシ基を有する低分子化合物を,相溶化剤として PMMA/PVAブレンドに添加すると分散性が著しく向上した。