熱可塑性樹脂のポリ(p-フェニレンスルフィド)(PPS)と熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂との接着機構を分子動力学計算により理論的に解析した。PPSは結晶化しやすい分子であることを考慮し,アモルファスモデルと結晶表面モデルの両方を作製した。PPS表面の化学構造が接着性に与える影響を調べるため,未処理のPPSとプラズマによって酸化されたPPSのモデルを用いた。分子動力学シミュレーションにより,PPSとエポキシ樹脂との接着界面の構造を得た。PPS-エポキシ樹脂界面での結合としてはファンデルワールス力が支配的であるが,PPSを酸化することで静電力が強まり,結合が強固になることが明らかとなった。続いて,接着界面分離のシミュレーションを行い,界面分離に伴うエネルギーの変化を解析した。界面剥離過程におけるエネルギー変化の曲線を微分することで接着力を求めた。PPSを酸化することで接着応力が大きくなることを示した。