2021 年 57 巻 7 号 p. 272-279
フェノールとクロロアセトンの反応により三官能フェノール化合物( THPP) を得た後,エポキシ化反応
を行うことでトリスフェニルプロパン型エポキシ樹脂( TGPP) を合成し,フェノールノボラックを硬化剤
とした硬化物の物性を評価した。TGPP はフェノールノボラック型エポキシ樹脂( PN-E) に対して,ガラ
ス転移温度( Tg) が 199℃と 18℃高い値を示した。また,ゴム状態( Tg +50℃) における弾性率は4.7 × 107
Pa であり,トリフェニルメタン型エポキシ樹脂( TPM-E) に対して 1/2 以下の値を示した。さらに,破壊
靭性は,0.72 MPa・m1/2 とTPM-E の1.6 倍の値を有していた。これらの結果は,メチレン結合が挿入され
ることによる分子の高い運動性に起因するものと考えられた。