日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
Print ISSN : 0916-4812
ISSN-L : 0916-4812
研究論文
カーボンナノチューブ/エポキシ複合材料の疲労き裂伝ぱ特性
松田 聡内海 茂久柿部 剛史岸 肇
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 58 巻 7 号 p. 231-238

詳細
抄録

ナノフィラーは炭素繊維強化複合材料のマトリックス樹脂の強靭化,耐疲労特性改善に期待されている。本研究では,カーボンナノチューブを添加したエポキシ樹脂について,疲労き裂伝ぱ特性を調べた。カーボンナノチューブは機械的混錬により凝集体のない状態まで分散させた。また,カーボンブラックを用いてフィラーの形状が疲労き裂伝ぱ特性に及ぼす影響を調べた。破壊靭性を評価した結果,カーボンナノチューブを添加することにより約40%増加したが,過度の添加は靭性向上効果を低下させた。また,カーボンナノチューブは疲労き裂伝ぱ抵抗を高くする効果がみられ,カーボンブラック添加系よりも効果が高いことがわかった。いずれのナノフィラーも,き裂先端での界面剥離を起因とする塑性変形による破壊エネルギー増大が疲労き裂伝ぱ抵抗を増加させたことがわかった。カーボンナノチューブは長さによる効果により塑性変形サイズが大きく拡がり,疲労き裂伝ぱ抵抗向上により高い効果があることがわかった。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本接着学会
次の記事
feedback
Top