現在,接着剤のその多くは枯渇資源である原油を原料とする樹脂から作られている。そのため,環境に負荷をかけない新規材料の開発が望まれている。石油精製の副産物として発生する硫黄は,毎年700 万トンが地上に投棄されている。硫黄含有ポリマーは,その余剰資源である硫黄から合成できるため,持続可能な開発目標(SDGs)の観点からも注目されている。また,硫黄含有ポリマーは炭素ポリマーにない特徴を有しており,今までにないポリマー材料の創成が期待される。しかし,硫黄含有ポリマーは環境負荷が高い高温条件で合成され,溶解性が低く,不安定で分子量も小さいため社会実装が困難である。本稿では,弱い相互作用による分子の自己組織化という超分子概念を硫黄含有ポリマーに導入することで,これらの問題を解決するために筆者らが最近開発した超分子硫黄含有ポリマーについて述べる。