日本接着学会誌
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総合論文
細胞膜接着光感受性物質を用いたがん治療と細胞機能制御に関する研究
吉冨 徹
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ジャーナル 認証あり

2026 年 62 巻 3 号 p. 53-58

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抄録

光感受性物質は,特定の波長の光を吸収することで,蛍光を発するだけでなく,活性酸素を産生する。よって,医療応用として,画像診断や光線力学的療法(PDT)等に用いられる。しかしながら,実際に治療が行われているPDTでは光感受性物質が全身投与され,目や皮膚でも活性酸素が産生するため,光線過敏症を引き起こす。よって,術後,暗い部屋で生活をしなければならないなどの課題がある。そのような問題を解決するため,局所投与型の細胞膜接着光感受性物質を開発した。この細胞膜接着光感受性物質は,従来の全身投与型PDT における光線過敏症の課題を解決するだけでなく,治療効果を高めることが出来る。また局所投与した部位に1週間程度残存するため,組織マーキング材としても使用することが出来る。さらに細胞膜接着光感受性物質を細胞培養皿上に固定し,細胞膜をわずかに酸化刺激することによって,未成熟樹状細胞にダメージを与えずに,免疫寛容性の抗原提示細胞に機能制御できることもわかってきた。このように,従来の光感受性物質を細胞膜に接着できるように材料設計することにより,従来の光感受性物質では達成できなかった医療技術として機能を発揮することができる。

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