デザイン学研究作品集
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ブナの実羊羹
中山間地域の里山資源の価値を伝達するパッケージデザイン
蛭田 直井田 秀行
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電子付録

2017 年 22 巻 1 号 p. 1_68-1_73

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抄録

本作品は、北信州(長野県飯山地方)の里山資源であるブナの実をもちいた「ブナの実羊羹」のパッケージデザインである(図1)。ブナの実は、当該地域の風土や文化を反映した魅力ある食材であるが、安定供給ができないことから特産品としての活用が難しいとされている。そこで、限られた数量でもブナの実の食感と風味を味わえるように羊羹の形状を最適化し、商品価値の訴求力をより高めたパッケージデザインを展開した。
デザインの特徴は、開封の動作で上部と下部に分かれ、上部は地域や商品の情報を発信するしおりとして使用できると同時に、下部は羊羹を食するためのケースにできることにある。開封は、新たに開発した破線によりスムーズに行え、外形加工を伴うパッケージについては小規模の農産物加工所でも自作できるよう配慮した。また、グラフィックにクマのイラストレーションを使用することで親和性を高めている。

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© 2017 著作者
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