2025 年 30 巻 1 号 p. 1_132-1_137
「みかん米粉どら焼き」は関東学院大学共生デザイン学科二宮ゼミナール(以下、二宮ゼミ)の社会連携教育「小田原みかん農園再生プロジェクト」(以下、農園PJ)から生まれた地域支援商品である。筆者は二宮ゼミ指導教員として農園PJの立ち上げ・運営、リサーチ、商品企画、製造・販売体制構築、帯紙・リーフレット制作、プロモーション等、2017年度から継続して取り組んでいる。「みかん米粉どら焼き」は荒れたみかん畑を再生するシニアネットワークおだわら&あしがら(以下、シニア)の活動支援目的で筆者が発案し、二宮ゼミの企画・制作を指導・監修した。小田原市内の和菓子店がシニアからみかんを購入・製造し売上から活動支援金を寄付する。米粉は耕作放棄田を再生する米穀店から購入しシニアと交流関係を構築した。本論文は農園PJ発足時に遡って二宮ゼミの実践・教育を省察し、目的や価値認識の多様性をあえて一致させず、いかに共存しうるかという順応的ガバナンスの視点で指導・監修することが多元的デザイン実践・教育の成立要因であり持続性をも担保する実相を描き出した。